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3. 相談・検査・治療の進め方 

★ 治療をはじめる時期について

 よくない歯並びの状態は,人によってさまざまです.そのため,よくない歯並びが機能的な障害を与えている場合を除き,すべての人がすぐに治療を始めた方がよいというわけではありません

 余裕をもって通院できる時期をご選択ください.お仕事や学校のクラブ活動なども人生の大切な一部です.それぞれの人には優先すべき大切な事柄があり,その時期もさまざまです.お忙しい時期(お仕事の繁忙期,受験,人生の節目:ご結婚,ご出産など)に治療を開始されると,どうしても通院予約にキャンセルが多くなることが多く,その結果,通院間隔が伸びたり,十分な口腔衛生が維持できなくなり,いろいろな不都合が発生して悪循環になることがありますので,こういった将来の予定も見通してみましょう.

 そして,歯列矯正は,一部の病態を除いて緊急性のある医療ではありません.学校や職場においては,1~2カ月に1度は,通院のための早退や欠席・あるいは有休休暇を取得して,あなた自身の「身体や心の健康」のために,主体的に自分自身のお時間を選択できる環境や時期が整っていることが,治療開始するのに最善な時期とお考え下さい.

 一方では,特に,患者さまがまだ小児の場合,治療を始める適当な時期は,保護者の方とご相談して決める必要もあります.より効果的に短期間で治療が行える場合は,すぐに治療開始することをお勧めしますが,お子様にもわかりやすくご説明し,本人の意思を尊重するようにします.

 前歯の乱れや,一部のよくない歯並びを治した後,永久歯が生えそろってから本格的な治療をするといった二段構えの治療が望ましい場合もあります.こういった場合は,顎骨の成長発育を観察するために,治療開始に最善な時期が来るまで3~6カ月おきに来院していただくこともあります.

 矯正歯科医療は,個人個人によって異なるオーダーメイドの治療です.そして医療は本質的に不確実・不確定な部分があり,医療安全には最善を尽くしていますが,予期せぬ重大な合併症や偶発事も起こります.医療の不確実性は,生命の複雑性や有限性,人体の多様性,医学の限界にも由来し,低減はできても,消滅はできません.

 治療を始める時期については,歯並びの状態だけでなく,患者さまの年齢,生活環境,人生の節目(学校,受験,就職,ご結婚,ご出産,転居など)も考慮してご理解いただいた上で,患者さま自身にご判断いただきます.

 以上の点について,どうぞご理解ください.

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