【治療結果】 について

 

 治療結果(治療の質)は,以下の状態が標準的な歯科矯正治療の結果です.

治療開始する前に,「達成される治療ゴール」について,十分に納得できるまで説明を受け,理解した後に治療開始してください.

  ⇒ ABO: Guide for grading clinical case reports model analysis

  治療ゴールの見方: ⇒  不正咬合の治療目標
  正面
Class I

チェック事項 上下の歯は「2対1」の関係で,交互に隙間なくかみ合います 上下の正中が一致し,上顎の歯が下顎の歯の外に2-3mm程度かぶさります.歯の正中は顔の真ん中とも一致します. 上下の歯は「2対1」の関係で,交互に隙間なくかみ合います.
※ここに示した咬み合わせの評価法は,じっとしている状態です.実際には,咀嚼(そしゃく:ものを食べる)時に正しく機能するように,また顎関節に問題がないかといった点についても確認しながら治療を進めます.また,歯の根がきちんと平行に並ぶように調節をします.

歯列矯正治療で大切なことは, 治療計画を立て,目標を設定することです.

 歯科矯正では,医学的検査後に,理想とする 治療ゴール を達成するための 治療計画 を立て,これを遂行します.治療ゴール(目標)は,患者さまの「歯の大きさ」,「歯根の長さ」,「歯槽骨の厚みや幅」,「治療開始年齢(成長発育)」 など,患者さまによって身体構造は違いますので,達成できる治療結果(ゴール)は同じものでありません.

 また,医療には,本質的に不確実・不確定な部分があり,リスクや偶発症として,疼痛口腔粘膜の損傷う蝕歯周病歯根吸収歯肉退縮顎関節症治療後の後戻りなどが起こりえます.

 医療安全には最善を尽くしていますが,医療の不確実性は,生命の複雑性や有限性,人体の多様性,医学の限界にも由来し,低減はできても,消滅はできません.医療行為とは無関係の病気や,加齢に伴う症状が医療行為の前後に発症することもあり,時に,死に至る場合もあります.

 こうしたことを踏まえ,患者さまの安全・安心を優先し,

 複数の矯正歯科専門の医療機関を受診し,ご相談することを推奨いたしますが,

 ・ 「治療をしない」

 ・ 「しばらく見送る」 という選択肢も含め,

患者さま自身がしっかりとお考えになられ,ご自身でご判断されてください.

※ 当院では,これらについて書かれた説明書(☛ 歯列矯正を始める前に)をお読みいただき,理解し,ご同意(児童・生徒の場合は保護者の方),ご承諾いただいた後に治療を開始します.

 では,実際の治療例をご覧ください.

矯正治療を始める前に知っておくべきリスク・副作用」 は必ずご一読ください. 

上顎前突

(1類)

Before    
After      

【主訴】 前歯をひっこめたい

【診断】 下顎の両側側切歯の先欠をともなう上顎前突

<ANB 2.74 大臼歯関係 右側; Angle class I,左側; Angle class I>

【初診時年齢】 15y 02m

【治療計画(装置名,抜歯非抜歯,治療期間を含む)】

 ① 口腔清掃指導

 ② 上顎前歯の後退 ⇒ リンガルアーチ(上顎) + 抜歯(上顎:4 | 4

 ③ マルチブラケット装置<上下顎;審美ブレース(治療期間:1年1ヵ月)>

     アンカースクリューの併用

 ④ 保定(5年) ⇒ 上下顎:第三大臼歯の抜歯

【動的治療期間】 1年1カ月

【お支払費用】 692,480円  治療費用の内訳はこちら

 ※上記金額は,本患者さまが実際に当院にてお支払いいただいた費用(消費税込)です.

 治療費用はそれぞれの患者さまの治療方法や装置によって異なります

 

【治療上の注意点】

 前歯が出た状態を「上顎前突」といいます.このケースは,下顎の前歯が先天性に欠損しており,上下顎の歯の数を合わせて,咬み合わせを改善するために,上あごの歯の数を減らし,前歯を後ろに下げることで治療しました.

 上顎の前歯を後ろに下げる場合,「切歯管:神経や血管の通る穴」に歯根がぶつからないように配慮し,また,歯肉退縮,歯根吸収などが起こらないように定期的な検査や慎重な治療計画が必要です.下記の矯正治療に関するリスク・副作用については必ずお読みください.

【リスク・副作用】

 齲蝕,歯周病,歯根吸収,歯肉退縮,後戻り,顎関節症,矯正装置による損傷や事故,発音への影響,アレルギー反応,治療期間の延長など.

 ※上記の歯列矯正におけるリスク・副作用についてはこちらを必ずお読みください.

 

 

上顎前突
(2類)

過蓋咬合

Before      
After      

【主訴】 歯ならびをなおしたい

【診断】 過蓋咬合をともなう上顎前突

 <ANB 4.71 大臼歯関係 右側; Angle class II,左側; Angle class II>

【初診時年齢】 12y 07m

治療計画(装置名,抜歯非抜歯,治療期間を含む)】

 ① 口腔清掃指導,上下顎の智歯抜歯

 ② リンガルアーチによる大臼歯の固定,抜歯(上顎:4 | 4

 ③ マルチブラケット装置<上下顎;審美(治療期間:1年4カ月)>

 ④ 保定(半永久的) ⇒ 上下顎:第三大臼歯の抜歯

【動的治療期間】 1年4カ月

【お支払費用】 564,270円 治療費用の内訳はこちら

 ※上記金額は,本患者さまが実際に当院にてお支払いいただいた費用(消費税込)です.

 治療費用はそれぞれの患者さまの治療方法や装置によって異なります

 

【治療上の注意点】

 不正咬合の分類では上顎前突ですが,前歯が内側に大きく倒れている2級2類という不正咬合です.治療目標は,前歯の傾きを改善しながら,前歯部の歯の位置を前後的に後退させると同時に,咬み合わせの深さ(過蓋咬合:下顎の前歯が見えない状態)を改善することになります.この目標を達成するために,上あごの小臼歯を2本抜歯して歯列矯正治療を行いました.

 注意すべき点として,歯の歯根を大きく移動させるため,切歯管との位置関係,歯肉退縮を避けるために歯肉のバイオタイプにも十分配慮する必要があります.

 この症例では,術後に歯肉ラインが著しく改善しています.歯根吸収もなく,患者さまにも大変ご満足いただけた症例です.

【リスク・副作用】

 齲蝕,歯周病,歯根吸収,歯肉退縮,後戻り,顎関節症,矯正装置による損傷や事故,発音への影響,アレルギー反応,治療期間の延長など.

 ※上記の歯列矯正におけるリスク・副作用についてはこちらを必ずお読みください.

 

 

叢生 初診時
保定開始時

【主訴】 歯並びをキレイにしたい.

【診断】 叢生( 2|2 口蓋側転位,歯の幅径大)

 <ANB 0.97 大臼歯関係 右側; Angle class I,左側; Angle class I>

【初診時年齢】 24y 01m

【治療計画(装置名,抜歯非抜歯,治療期間を含む)】

 ① 口腔清掃指導

 ② マルチブラケット装置<上下顎;リンガル法(治療期間:1年6ヵ月)>

     アンカースクリューの併用

 ③ 保定(5年) ⇒ 下顎:第三大臼歯の抜歯

【動的治療期間】 1年6カ月

【お支払費用】  841,260円 治療費用の内訳はこちら

 ※上記金額は,本患者さまが実際に当院にてお支払いいただいた費用(消費税込)です.

 治療費用はそれぞれの患者さまの治療方法や装置によって異なります

【治療上の注意点】

 この症例は,矯正治療では入門症例です.上顎の側切歯が「口蓋側転位」となっていました .患者さまの側貌(E-Line)にも問題はなく,口唇の突出改善を要しないことから,歯を抜くことなく歯列矯正治療を行いました.

 問題点として,上下顎の歯の大きさの比率が少し悪いことから,I.P.R.(インタープロキシマルリダクション)という歯の隣接面を少し削合する方法によって,前歯の形態修正を行い,咬み合わせを緊密にしました.同時に治療期間を短縮するため,アンカースクリューを併用し,咬合状態の確立を行いました

 動的治療期間は1年5カ月でした.安定した咬合状態を保っています.ごく一般的なケースです

【リスク・副作用】

 齲蝕,歯周病,歯根吸収,歯肉退縮,後戻り,顎関節症,矯正装置による損傷や事故,発音への影響,アレルギー反応,治療期間の延長など.

 ※上記の歯列矯正におけるリスク・副作用についてはこちらを必ずお読みください.

 

 

移転歯 Before
After

【主訴】 歯並びの改善

【診断】 移転歯を伴う叢生 ( 3 | 移転歯,| 2 舌側転位をともなう)
 <ANB 4.23,大臼歯関係:右側 Angle class II,左側 Angle class II >

【初診時年齢】 21y09m

【治療計画(装置名,抜歯非抜歯,治療期間を含む)】

 ① 口腔清掃指導
 ② 上顎:リンガルアーチ(複雑:Nance型)
 ③ 抜歯: a)  c | ,b) 移動確認後 ⇒ 5 | 5
 ④ マルチブラケット装置(上下顎:審美ブレース,治療期間:3年3カ月)
 ⑤ 智歯(上下左右8|8)の抜歯
 ⑥ 保定(5年)

【動的治療期間】 3年3カ月

【お支払費用】 752,275円 治療費用の内訳はこちら

 ※上記金額は,本患者さまが実際に当院にてお支払いいただいた費用(消費税込)です.

 治療費用はそれぞれの患者さまの治療方法や装置によって異なります

【治療上の注意点】

 上顎の右側犬歯が「移転歯」となった症例です .乳歯(子供の歯)が晩期残存していたため,その部分まで「移転歯」を移動させる計画を立て,歯列矯正治療を開始しました.

 ※ 移転歯:本来生えるべき場所から隣の歯の歯根を乗り越えて異なる場所に生えた歯

 治療上のリスクとして,角化歯肉や付着歯肉に配慮した歯の移動が必要です.また,隣接歯の歯根をまたいだ移動も必要になり,治療期間は長くなりました.

 患者さまの20年後,50年後を考えた場合,犬歯はとても長持ちする歯ですので,この歯を抜くことは適切な選択肢ではないと判断します.矯正歯科治療では高度な技術を要する症例といえますが,難しい治療というわけではありません.

 リンガルアーチを併用して犬歯を牽引しながら,歯列内への誘導を行い咬合を確立しました.現在も良好に経過しています.

【リスク・副作用】

 齲蝕,歯周病,歯根吸収,歯肉退縮,後戻り,顎関節症,矯正装置による損傷や事故,発音への影響,アレルギー反応,治療期間の延長など.

 ※上記の歯列矯正におけるリスク・副作用についてはこちらを必ずお読みください.

 

開咬 初診時
保定開始時

【主訴】 開咬,指しゃぶりがあった

【診断】 開咬

 <ANB 6.82 大臼歯関係 右側; Angle class I,左側; Angle class I>

【初診時年齢】 22y 06m

【治療計画(装置名,抜歯非抜歯,治療期間を含む)】

 ① 口腔清掃指導,上下顎の智歯抜歯

 ② リンガルアーチによる大臼歯の固定

 ③ マルチブラケット装置<上下顎;審美ブレース(治療期間:3年)>

     アンカースクリューの併用

 ④ 保定(5年) ⇒ 下顎:第三大臼歯の抜歯

【動的治療期間】 3年0カ月

【お支払費用】 784,245円 治療費用の内訳はこちら

 ※上記金額は,本患者さまが実際に当院にてお支払いいただいた費用(消費税込)です.

 治療費用はそれぞれの患者さまの治療方法や装置によって異なります

【治療上の注意点】

 閉じているのに前歯が開いた状態を「開咬」と言います.原因は,骨格的なものや習癖(指しゃぶり,舌癖など)などがありますが,成人の場合には変形性顎関節症による顎関節の骨吸収による場合もあります.原因によって,治療方法も異なってきます.このため検査・診断が重要となります.この症例では,小児期の指しゃぶりが原因となっていました.

 本症例では,第二大臼歯の傾斜改善に時間を要したことから治療期間が長くなっています.

 開咬の障害として,前歯でよく噛めないだけでなく,発音も不明瞭になります.治療すべき歯列不正といえるでしょう.

 大変良い結果が得られ,現在もよい状態で安定で,経過観察を続けています.

【リスク・副作用】

 齲蝕,歯周病,歯根吸収,歯肉退縮,後戻り,顎関節症,矯正装置による損傷や事故,発音への影響,アレルギー反応,治療期間の延長など.

 ※上記の歯列矯正におけるリスク・副作用についてはこちらを必ずお読みください.

 

患者さまのご了承いただいたものを記載しております.

治療方法や治療結果は個人個人で異なります.

治療前後の写真をホームページに記載する場合の条件 詳しくは,こちらをご参照ください.